株式会社CYSAY

お知らせ

新型コロナウイルスに関して

新型コロナウィルスの脅威

これだけ感染が拡がっている中で、かかってしまったら不運としか言いようがない・・・そんな状況下です。ひとは人に会わずに生きてはいけないですし、経済活動が止まれば、私たちは食べていけません。

でも、たとえ罹ったとしても、軽症で終わりたいし、人工心肺を必要とする重症化は避けたいと思うのは、感染の怖さを想像し難い元気な若者以外は、私たちの共通の思いであるはずです。

 

無症状者と重症者の差って?

無症状で気が付かないうちに抗体を持っていた人や罹ったけどすぐに回復した人。

知らずに周囲にウィルスを拡散してしまうスーパースプレッダーと言われる一部の人々。重症化して長引いてICU入り・・・最悪命を落としてしまう人。

それらの差は何から来ているのでしょうか?

免疫力の強さ、免疫に影響する既往症(持病)の有無・・・と専門家たちは口を揃えます。

免疫とは白血球やリンパ球で構成され、NK細胞(ナチュラルキラー細胞、その名の通り天然の殺し屋)や貪食細胞のマクロファージなどが知られています。

自然免疫であるNK細胞は体内をパトロールする警察官のようなもの。

菌やウィルスの侵入や害となる物質の除去を行っていますが、許容量を超えた場合には突破されてしまいます。

 

やはり年齢か。

NK細胞の活性は20歳くらいまでが最高で、それでも活性度は40%程度と言われています。特に日本人は免疫を不要とするような衛生的な環境に身を置いているからかもしれません。

30代以降は活性が低下の一途で60歳代ではたった20%ほどと半減してしまいます。活性が低いということは悪い敵かどうか見定め、反応するまでにより長い時間が必要になってしまうからです。スマホも近くに公衆電話もなく、110番に連絡できないようなものです。

重症化が高齢者に多いのはうなずけますね。

そんな中、私たちには何ができるのでしょうか。

まずはウィルス感染のこと、その正体はまだまだわかないことが多く、解明には時間がかかるようです。これまでインフルエンザなどでわかっていることをもとにわたしたちの免疫システムも考えてみましょう。

 

ウィルスとは

 

細菌と比べても圧倒的に小さく、ヒトの細胞は直径は6μm~25μm(0.006mm~0.025mm)と細菌より大きいことがわかります。ウィルスは自分では増殖できず子孫を残せないので、ヒトや動物細胞に寄生して遺伝子を繋いでいます。たくみに他の人にも寄生できるよう特性を進化させてきています。

 

感染経路は

一番の感染経路は、コミュニケーションの動物である人間の弱みにつけ込み、人から人へは唾液の飛沫やエアロゾルが主な感染経路です。例えば、向かい合って会話しながら食事をすれば、目の前のコップやお皿に飛びますし、同じ皿をつつけば、フォークなどからも感染します。肌は角層が守り、気道の粘膜もぜん動運動でウィルスが細胞に定着させないよう流してしまいます。

しかし一部は突破し、侵入許すことになります。問題はこのあとです。細胞の表面にある受容体に結着し、「いつものサイトカイン(細胞間伝達因子)だよ」って騙して侵入します。そして爆増というべき増殖をし、その一杯になった細胞を破裂させ拡散します。

 

免疫初動を、より早く、より強く

このためにはNK細胞などの免疫活性を上げること、つまり自然免疫の初動対応を早く、強く、が重要、ここで殲滅させたいところです。

免疫力に依りますが、数日から一週間後には獲得免疫という抗体が作られ、次の侵入に備えて迎撃力を高めます。しかし、どうもこの期間に感染を撒き散らすようで、スーパースプレッダーになってしまう人もいるのが恐ろしいところです。

免疫力を高める治療として、ご自分のNK細胞を体外で人工的に培養して再移植する療法も保険外診療で実際に行われています。この療法は高齢であっても、既往症などがあり活性が低い方でも若い時のレベルに戻せるといった症例もあるようです。

ただし、培養に時間に加え、費用は膨大なため現実的には一般人にとって高嶺の花と言わざるを得ないでしょう。

ワクチンの開発は急がれていますが、すでに半年間で20とも言われる遺伝子変異でウィルスの型が多様化しています。さらに変異は増えるでしょうし、人類より何万倍も古くから地球の住人であるウィルスは生命力も強く、なんとしても遺伝子をつなぐため人の細胞に寄生し続けようとするのは当然です。

インフルエンザ・ウィルスもそうですが、誰にでも機能する本当の意味での特効薬はありません。細胞内に入り込んでしまうため抗生物質も効きません。副作用の問題が話題となったタミフルなど4種のお薬がありますが、まだ近年のことです。

それだけ、ウィルスの撃退は難しいうえに薬剤の開発や実用化には時間がかかるのです。また、これらのお薬やワクチンをあまり使いたがらない人達が多数いるということは有効性と副作用のバランスが懸念されているからではないでしょうか?

同じことが新型コロナにおいても当てはまると考えられます。これだけのパンデミック後は、もはやこのウィルスと共存していくしかありません。

 

感染を、重症化を防ぐために

月並みですが、免疫力を上げるには栄養摂取、休息、運動習慣、つまり自分で管理するしかないのです。

第二波、それ以上の感染爆発などがいつ来るかわかりません。

自分で自分を守る時代へ。二人に一人に発症と言われるガンも免疫的には同様です。またこれだけ感染者が増えるようなライフスタイルが当たり前な社会になっているということに気づき、ウィズコロナ時代に適合し、自らの生活習慣や行動を見直すことが大切です。

 

再生因子の免疫作用とは

低酸素という極限状況に置かれた歯髄幹細胞は特殊な培養上清を発現することがわかっています。それはこの図のように集約されます。

第一にガンの免疫治療にも用いられるインターフェロン、なんとその別名は「ウィルス抑制因子」です。

インターフェロンは第一の防衛ラインともいえる自然免疫のナチュラルキラー細胞やウィルスや細菌を食べてしまうマクロファージを活性化し増強します。

第二にインターロイキン、T細胞増殖因子と呼ばれ、免疫細胞の砦、獲得免疫を強化するT細胞を増やし、活性化します。ウィルス抑制因子が戦い、その残骸を樹状細胞がヘルパーT細胞と呼ばれる免疫の司令塔に敵情報を伝え、抗体を生み出すB細胞とすでに侵入を許してしまった細胞ごと排除します。侵入されると中でウィルスは爆発的に増殖し、いずれ一杯になった細胞を破裂させウィルスをばら撒き他の細胞を次々に侵していきます。

つまり早い探知、と第一防衛ラインで侵入を許さないように備えることと(無感染)、たとえ侵入されても早期に獲得免疫を発動させること(無症状)が鍵となります。新型ウィルスは無症状であって獲得免疫が生まれる、免疫力によって数日から一週間、に他人に感染させるようです。

抗体ができて二次感染を抑えたり、軽症で済ませることができると言われていますが、変異を遂げていくウィルスに対し、予断は許されません。手強いウィルスと言えるでしょう。このメカニズムは病原菌や他のウィルス、ガン細胞に対しても同様のメカニズムが機能します。